皆さん、こんにちは。埼玉県三郷市を拠点に東京都内で住友不動産等所有のオフィスビルに関わる電気工事を手がける北英電気株式会社です。
電気工事の現場でよく耳にする「地絡」と「漏電」。これらはどちらも電気の異常な流れを指しますが、その違いや具体的な影響を正しく理解しているでしょうか?
この記事では、地絡と漏電の違いやそれぞれの危険性、そしてそれらが引き起こす事故の原因について詳しく解説します。
電気工事士やこれから電気工事の分野に携わる方にとって、これらの知識は安全な作業のために不可欠です。この機会に、地絡と漏電の違いをしっかりと理解し、安全な電気工事に役立ててください。
■地絡と漏電の基礎知識
(※上記写真の中央にあるのが漏電遮断器です。)
・ 地絡とは?
地絡は、高圧配電線や送電線において電気回路の一部が絶縁を失い、大地に接触してしまう(電気が流れてしまう)現象を指します。通常、電気は絶縁体で囲まれた回路を通じて流れます。しかし、地絡が発生すると、電流が回路外の地面に漏れるため、正常な電気の流れが妨げられます。これにより、設備が故障する危険性が高まり、最悪の場合、火災や感電事故を引き起こす可能性があります。
・ 漏電とは?
一方、漏電は、低圧回路において電気が本来の経路以外に流れてしまう現象を指します。漏電は、電線の絶縁不良や配線ミスによって発生することが多く、感電や火災の原因となります。漏電が発生すると、電力が無駄になるだけでなく、電気機器の故障を引き起こす可能性もあります。漏電遮断器(上記の写真)を使用することで、漏電が検出された際に自動的に電流を遮断し、危険を未然に防ぐことができます。
■地絡と漏電の違い
電気工事において、地絡と漏電はしばしば混同されがちですが、それぞれ異なる現象です。
地絡も漏電も、本来、流れる予定ではないところへ電気が漏れてしまっている状態としては共通ですが、地絡と漏電の主な違いは、「電気の流れる先がどこか」 にあります。
地絡は電流が大地に向かって流れることで発生し、漏電は回路外の場所に電流が漏れる現象です。
地絡が起こると、大地を通して電流が流れるため、設備やシステムに直接的なダメージを与える可能性があります。一方、漏電の場合、電流が不適切な経路を流れることで、機器に過負荷がかかり、発熱や火災のリスクが増大します。
■地絡や漏電が起こる原因とは?
地絡や漏電は、主に絶縁体の劣化や損傷、電気設備や家電製品の老朽化、不適切な配線に引き起こされます。地絡は特に屋外や湿気の多い環境で頻発しやすく、たとえば、屋外に設置されたケーブルが経年劣化することで、地絡のリスクが高まります。また、地面に接触する金属製の構造物がある場合にも、地絡が発生する可能性があります。
その他にも接続部分が緩んだり、ケーブルが傷ついたりすることで、発生するリスクが高まります。漏電は特に住宅やオフィス内での事故を引き起こしやすいため、定期的な点検が不可欠です。
どちらの現象も、事前のメンテナンスや点検を怠ると発生する可能性があります。したがって、地絡と漏電の特性を理解し、それぞれの予防策を講じることが重要です。
■ 地絡と漏電の危険性
地絡は、電気設備の障害や火災の原因となることがあります。特に、大地に流れた電流が予期せぬ経路をたどると、電気ショックを引き起こし、作業者や住人に深刻な健康被害を及ぼす危険性があります。
地絡による事故の典型的な例として、配電盤や変圧器の故障があります。地絡が発生すると、設備が過負荷状態になり、最悪の場合、発火することがあります。これにより、広範囲にわたる停電や機器の損傷が生じ、復旧に時間と費用がかかります。
地絡は特に工場や屋外施設でのリスクが高く、環境要因(雨、湿気)や物理的な衝撃によって発生することが多いです。電気工事の現場では、地絡による事故を未然に防ぐために、事前の準備と注意が求められます。
漏電は、電気火災や感電事故の主な原因となります。漏電によって電流が不適切な経路を流れると、過熱や発火のリスクが高まり、特に住宅や商業施設での事故につながります。
漏電による火災の典型例として、古い家電製品や不適切に設置された照明器具が挙げられます。これらの機器が長期間使用されると、配線の劣化や接触不良が生じ、漏電が発生しやすくなります。火災の危険性があるため、古い設備は定期的に点検し、必要に応じて更新することが重要です。
漏電もまた、感電事故の原因となります。特に、水回りでの漏電は非常に危険で、感電によって命に関わる事故が発生する可能性があります。水が電気の通り道となり、人体を経由して電流が流れることで、重大な事故につながります。
■電気工事士としてどうするべきか?予防策や対策は?
電気工事士として地絡と漏電に対応するためには、専門知識と経験が求められます。まず、電気設備の設置やメンテナンスにおいて、安全基準を厳守することが重要です。
特に、施工中は常に最新の安全規格を遵守し、適切な装備と工具を使用することが求められます。作業現場での危険箇所を特定し、対策を講じることで、安全な環境を維持できます。
また、作業現場での安全基準を厳守し、定期的な教育を通じて作業者の安全意識を高めることも重要です。
それでは具体的な対策をそれぞれ見ていきましょう。
まず、地絡を防ぐためには、屋外で使用するケーブルや機器に、適切な絶縁処理を施すことが求められます。絶縁材料の耐久性を高めることで、地絡のリスクを軽減できます。
地絡の予防策として、地絡検出装置の導入が効果的です。これにより、地絡が発生した際に迅速に対応でき、事故の拡大を防ぐことが可能です。
さらに、地絡による事故を防ぐためには、適切な防護服や工具を使用することが必要です。特に、湿気の多い環境や屋外での作業では、絶縁性能の高い装備を選ぶことで、安全性を確保できます。
漏電による事故を防ぐためには、接地(アース)が非常に重要な役割を果たします。アースとは、電気機器や電気設備から漏れ出た電気を安全に地中へ逃がすために、大地と電気的に接続することです。
アース線が適切に取り付けられていれば、漏電した電気を地面に逃がすことができるため、感電事故や火災事故を防ぐことができるでしょう。万が一、漏電している機器に人が触れても、被害を最小限にすることができます。
その他には、漏電遮断器(RCD)の設置が有効です。RCDは漏電を検知し、回路を迅速に遮断することで、火災や感電事故を防ぎます。新築やリフォームの際には、必ず漏電遮断器を設置することが推奨されます。
また、特に古い電化製品や設備は、接続部分の緩みや配線の損傷をチェックし、問題があればすぐに修理または交換することが求められます。これにより、漏電のリスクを大幅に低減できます。
■まとめ
今回は地絡と漏電の違いについて解説しました。
地絡と漏電の違いを理解することは、電気工事士としての基礎知識として非常に重要です。
地絡は電流が大地に流れる現象で、漏電は電流が意図しない経路を流れることを意味します。これらの現象はどちらも事故の原因となり得るため、予防策と対策を講じることが求められます。
これらの危険を防ぐためには、職場での安全教育を通じて、地絡・漏電の危険性についての理解を深め定期的なメンテナンスを徹底することが重要です。特に、日常生活での注意点や、対応方法についての知識を持つことが、安全確保につながります。
電気工事士として、安全を最優先に考え、常に最新の知識を身につけておきましょう。
■北英電気では、「電気工事スタッフ」や「電気工事施工管理技士」を募集しています!
北英電気株式会社は、埼玉県三郷市を拠点に、東京都内で住友不動産等所有のオフィスビルの建築内装に関わる電気工事を主に行っています。現在、 未経験・ 経験者を問わず、電気工事士・ 電気工事施工管理技士を募集中です。
北英電気の現場はオフィスビルの建築内装が基本であり、 室内での作業で空調 も効いているため、快適に仕事ができます。 社長は他業界から転職し、電気工事は未経験の状態からこの仕事を始めているため、 未経験の方を応援しています。もちろん、 以前 電気工事の仕事に就いていて、もう一度チャレンジしたい方も大歓迎です。
北英電気は土日休みではなく、 繁忙期以外は月に8日程度 希望のタイミングで休みを取得できますので、まとまった休みを取ることもできます。現場はほぼ 東京 都内で、会社から1時間程度の場所です。 出張はあっても 関東圏内であり、転勤もないので、三郷市に腰を据えて働きたいと思っている方にぴったりの環境です。
電気工事の仕事にチャレンジしたい・ 以前 磨いた電気工事の技を試してみたいなど、電気工事に対する意欲のある方は、ぜひ北英電気で一緒に働いてみませんか。
▼関連記事▼
》電気工事の種類は何がある?建物別に工事内容をわかりやすく紹介!
》電気工事のプロが解説!「電流」と「電圧」の違いってなに?
》弱電と強電の違いとは?電気設備の基礎知識や工事に必要な資格などわかりやすく解説!
》電気工事士になるにはどうすればいい?資格の種類や取得方法をご紹介
》電気工事士はやめとけって本当?きついといわれる理由や働くメリットを紹介!
》電気工事士に向いてる人・向いてない人の特徴を徹底解説!求められるスキルとは?