皆さん、こんにちは。埼玉県三郷市を拠点に東京都内で住友不動産等所有のオフィスビルに関わる電気工事を手がける北英電気株式会社です。
日常生活で欠かせない電気の電圧には、実は大きく分けて2つの種類があることをご存知ですか?電圧の種類は弱電と強電の2種類に分けられ、それぞれ違った用途で使われています。
今回は、弱電と強電の違いやそれぞれの工事に必要な資格について、未経験や初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
■弱電と強電の定義
まずは弱電と強電の定義について、それぞれ解説していきます。
⦿弱電
弱電とは、電気を信号として利用する場合を意味します。電話やインターネット、テレビなどの通信設備に使用されることが多いです。
弱電はあくまでも信号を送るだけなので高い電圧は必要なく、使用電圧は48V以下となっています。
⦿強電
強電とは、電気をエネルギーとして利用する場合を意味します。さらに強電は「低圧」「高圧」「特別高圧」の3つの種類に分けられます。
・低圧
低圧とは、交流の場合は600V以下、直流の場合は750V以下の電圧のことを指します。一般家庭用のコンセント、工場などのプラントにある機械類などに使われています。
・高圧
高圧とは、交流の場合は600〜7000V、直流の場合は750〜7000Vの電圧のことを指します。主に電柱につながれている配電線に使われており、家庭や工場などに送電するために高い電圧が必要となっています。
・特別高圧
特別高圧とは、7000V以上の高い電圧のことです。発電所から変電所に電気を送るのに使われており、高い場合は数十万ボルトになることもあります。大容量の電気を山岳地などに設置された鉄塔を経由して送電するため、非常に高い電圧で効率的に送電しています。
■弱電と強電の違いは?
弱電と強電の違いは、電圧の大きさと、その用途です。弱電は48V以下の電圧で電気信号として使われ、弱電設備には電話設備やインターホン設備、テレビ共聴設備、LAN設備、防犯設備などがあります。
強電は48V以上の電圧でエネルギーとして使われ、強電設備には照明・空調設備や受変電設備、発電設備、コンセント、エレベーターなどがあります。
■弱電設備と強電設備にはどんな工事がある?
ここでは弱電設備と強電設備について、それぞれどのような工事があるのかを紹介していきます。
・弱電設備工事とは
弱電設備工事とは、主にネットワークや電話線などの工事のことを指します。具体的には、カメラ付きインターホンや電話、テレビ、LAN配線、火災感知器などの設備に関する工事です。
工事は住宅やオフィス、施設などさまざまな場所で行われ、なかでもアンテナ工事などは屋外や天井といった高所での作業になることもあります。
・強電設備工事とは
強電設備工事とは、主に建物の建設設備の稼働に必要な電気設備の工事のことです。具体的には、高圧引き込み線の電気を建物で使用する電圧に降圧するための変電設備の工事のことを指します。
さらに、コンセントや照明器具、エスカレーターやエレベーター、空調設備などに関する工事なども強電設備工事になります。
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■弱電工事と強電工事に必要な資格
弱電工事と強電工事は、電圧量だけでなく使用目的や工事内容も異なることから、必要な資格にも違いがあります。ここではそれぞれの工事に必要な資格について解説します。
⦿弱電工事
弱電工事に必要な「電気通信主任技能者」「総合無線通信士」「陸上無線技術士」の3つの資格について、それぞれ解説します。
・電気通信主任技能者
電気通信主任技能者とは、電気通信ネットワークの工事や維持、運用の監督責任者です。総務省令による技術基準に適合するよう、電気通信設備の工事や維持、運用の管理業務を行う国家資格です。
・総合無線通信士
総合無線通信士とは、陸上・海上・航空の無線局における無線設備の操作を行う国家資格です。第一級・第二級・第三級があり、それぞれの等級で操作できるものも異なります。
・陸上無線技術士
陸上無線技術士とは、陸上の無線局における無線設備の技術的な操作を行う国家資格です。第一級と第二級があり、それぞれの等級で操作できるものも異なります。
⦿強電工事
強電工事に必要な「電気工事士」「電気主任技術者」「電気工事施工管理技士」「エネルギー管理士」の4つの資格について、それぞれ解説します。
・電気工事士
一般住宅やビル、工場、商店などの電気設備において、電気工事を行うための国家資格です。一般住宅や店舗などの600V以下で受電する設備の工事に従事できる第二種と、第二種の範囲に加えて最大電力500kW未満の工場、ビルなどの工事に従事できる第一種があります。
・電気主任技術者
発電所や変電所、工場、ビルなどの受電設備や配線など、電気設備の保安監督を行うための国家資格です。すべての事業用電気工作物を取り扱うことのできる第一種、電圧が17万V未満の事業用電気工作物を取り扱うことのできる第二種、電圧が5万V未満の事業用電気工作物を取り扱うことのできる第三種があります。
・電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士とは、建造物の建設や増築において、電気工事の施工計画の作成や、工事の工程・安全・品質などの管理、監督などを行うための国家資格です。一般建設業の電気工事に関わる2級と、一般建設業と特定建設業の電気工事に関わる1級があります。
・エネルギー管理士
エネルギー管理士とは、省エネ法に規定された省エネを推進するための国家資格です。具体的には、工場内のエネルギー使用方法の改善や管理を行います。
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■まとめ
今回は、弱電と強電の違いやそれぞれの工事に必要な資格について解説しました。弱電工事は扱う電圧が低く、電気信号として使われるものの工事、強電工事は扱う電圧が高く、電気をエネルギーとして使われるものの工事のことを指します。
それぞれに必要な資格もさまざまですが、取得しておくと就職や転職に有利に働いたり、キャリアアップの武器となったりするものも多くあります。ぜひ、今回の記事を参考にしてみてくださいね。
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