皆さん、こんにちは。埼玉県三郷市を拠点に、東京都内で住友不動産等所有のオフィスビルに関わる電気工事を手がける北英電気株式会社です。
多くの人が働くオフィスでは、照明やOA機器といった電気機器も数多く使用されます。それらを快適に使用できるようにするためには、電気配線の設置をはじめとする電気工事が必要不可欠です。
こういった電気工事に興味があるものの、具体的に何をするのかよくわからない……という方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、電気工事に興味のある方に向けて、オフィスの電気工事の知識をご紹介します。
■オフィスの電気工事の目的と重要性
オフィスの電気工事の目的は、オフィス内に電力を供給し、安全かつ快適に使用できる環境を整えることです。オフィスでは、パソコンやプリンターなどのOA機器、電話やインターネット回線といった通信設備、そして照明やエアコンなど、多種多様な電気機器を使用します。当然、それらを使うための環境を整備しておかなければなりません。
たとえば、デスクの近くの使いやすい位置にコンセントがないと、パソコンを使うのにも苦労します。照明が適切な位置になければ、薄暗い環境で仕事をすることになりますし、スイッチが遠ければ照明のオンオフも面倒です。
さらに、電気容量が不足していると、消費電力の大きいエアコンなどの機器を十分に使えません。インターネットの通信速度が遅く、快適に作業ができないということもあるでしょう。これらはすべて、仕事の効率や労働環境に大きく関わってきます。
つまり、生産性が高く働きやすいオフィスを作るためには、適切な電気工事を行わなければならないのです。コンセントや照明器具の位置や数、インターネットの通信速度、そして電気容量など、考慮すべき点はいろいろあります。
ただし、どのような電気設備が必要なのかは、オフィスの規模や事業内容、従業員の人数や働き方によって変わってきます。そのため、オフィスの開設や移転、レイアウト変更などを行う際は、十分な打ち合わせをして電気工事の計画を立てることが大切です。
■オフィスの電気工事にはどんな種類があるの?
オフィスの電気工事にはいろいろな種類があり、状況や目的に応じた工事を行う必要があります。主な工事の内容をご紹介します。
・幹線工事
幹線工事は、引き入れた電気を電気機器に供給するための工事です。幹線とは、変電所や電気室の配電盤から、分電盤もしくは制御盤につながる配線部分を指します。使用できる電力の容量は幹線によって決まるため、電気設計において非常に重要な部分です。
そのため、幹線工事を行う際は、事業所で必要な電力量に合わせて幹線を設計する必要があります。
・電灯工事
電灯工事は、照明設備の設置や交換、撤去などを行う工事です。照明の明るさや色は、作業のしやすさや室内の雰囲気を左右し、従業員のモチベーションやメンタルにも影響を与えます。加えて、昨今では省エネ性能も重要になっているなど、さまざまなポイントを意識する必要があります。
特に照明を新設する工事は、電気配線やスイッチの取り付けも一緒に行う必要があるため、意外と規模が大きくなりやすい点に注意が必要です。一方、引掛シーリングや引掛ローゼットに照明器具を取り付けるだけなら、電気工事士の資格を持っていない人でも行うことができます。
・コンセント工事
コンセント工事は、コンセントの新設や増設、移設を行う工事です。オフィスの開設や移転の際はもちろん、「使いたい場所にコンセントがない」「従業員の人数に対してコンセントが足りていない」といった問題が生じている時にも行います。
コンセントの位置や数の問題は、延長コードや電源タップで解決できなくもありません。しかし、いわゆるタコ足配線は、電気容量オーバーによる火災につながるリスクがあります。加えて見栄えが悪く、足を引っ掛けてしまう危険性もあるため、適切なコンセントの設置によって解決するのが重要です。
・通信回線工事
通信回線の引き込み工事、屋内での配線敷設、モデムの設置などが該当します。また、社内ネットワークの構築も行います。インターネットの通信速度が不十分だと業務に支障をきたすため、業務内容に応じた通信速度を確保することが重要です。
》電気工事の種類は何がある?建物別に工事内容をわかりやすく紹介!
■オフィスの電気工事の具体的な流れ(OA床コンセント工事の場合)
オフィスの電気工事に不備があると、オフィスの利便性や安全性に大きな問題が生じるため、工事は正しい手順で行う必要があります。そこで、フリーアクセスフロア(配線を収納できる二重床)のコンセント設置工事を例に取って、オフィスの電気工事の具体的な流れを見ていきましょう。
①墨出し
墨出しは、什器の配置に合わせてコンセント設置場所を決める作業です。メジャーで正確に長さを測りながら、養生テープなどで目印をつけます。先に什器設置業者が設置場所の墨出しを行い、次に電気工事業者が電気図面を参照しながら行うのが一般的です。
②フリーアクセスフロアのパネルを開ける
コンセント配置が決まったら、フリーアクセスフロアのパネルを開けます。パネルの表面には仕上げ材(タイルカーペット等)があるので、仕上げ材を剥がしてから作業を開始します。
③フリーアクセスフロア内の配線作業
パネルを外したところから、通線工具を使用してフリーアクセスフロア内にケーブルを敷設します。
④コンセント配線を分電盤へ引き込む
フリーアクセスフロア内に配線したケーブルを、EPS経由で分電盤へ引き込みます。EPSとは、電気関係の配線を通すために用意された空間のことです。
⑤ハーネス用OAタップ設置
フリーアクセスフロアには配線立ち上げ用の開口部があるので、そこから配線を取り出し、ハーネス用OAタップを設置します。
⑥ハーネス用ジョイントボックス設置
ハーネス用ジョイントボックスは、ケーブルとハーネス用OAタップを結線・分岐するための中継地点です。分岐・接続部のケーブルが露出していると、足を引っ掛けて転倒したり接続部分が外れて停電したりするおそれがあるので、床下に隠ぺいし、保護する必要があります。
⑦フリーアクセスフロアを閉める
作業のために開けていたフリーアクセスフロアのパネルを閉めます。
⑧ハーネスジョイントボックスの位置表示付け
ハーネスジョイントボックスがある場所の上に目印を付けておきます。これは、床上からでも一目で接続部がわかるようにし、点検をしやすくするためです。
⑨分電盤につなげる
配線を分電盤に接続します。
⑩絶縁抵抗測定
絶縁抵抗測定とは、電気設備の点検の一つで、設備の絶縁性(電気が外に漏れ出さない能力)を専用の機械で調べることです。万が一にも漏電していると、火災や感電、停電といったトラブルにつながるため、完全に絶縁されていることを必ず確認しておきます。
⑪回線表示および用途表示
ハーネス用OAタップやハーネス用ジョイントボックスが、どの分電盤と接続されているかを表示しておきます。施工後のメンテナンスでも重要になる情報なので、回路番号表示は必ず行います。
⑫電圧、回路、結線確認
電圧は正常か、回路が正しく機能しているか、結線がしっかり行われているかといったことを確認します。
⑬片づけ
工事で使用した道具や出たゴミなどを片付けます。
⑭電源タップの位置調整
什器を設置してから、電源タップの位置の微調整を行います。
⑮電源タップを卓上まで引き伸ばす
電源タップを、普段使用する位置であるデスクの上などに引き伸ばします。最終チェックを行い、問題なければ工事完了です。
■オフィスの電気工事をする際の注意点
オフィスの電気工事には危険を伴う作業もあるため、安全に配慮しつつ行う必要があります。最も注意しなければならないのは、やはり感電事故です。
感電事故を防ぐためには、必ず停電を確認してから作業を行います。これは、ただ単に作業する部屋のブレーカーを落とせばいいというわけではありません。必ず検電器を使用し、作業箇所が活線状態でないこと(電流が流れていないこと)を確認してから作業を開始することが大切です。
また、OAフロアの工事でフリーアクセスパネルを開けている時は、転落の危険があります。転落するほどの高さではない場合でも、ちょっとした段差が転倒事故につながりかねません。そのため、カラーコーンで工事範囲を囲ってわかりやすくした上で作業をしています。
■まとめ
電気工事は、オフィスで仕事をする上で必要不可欠な工事です。普段は照明やパソコン、インターネットなどを当たり前のように使っているかもしれませんが、これらも電気工事を行っているからこそ使うことができます。
つまり電気工事業は、人々が働く環境を整え、大いに社会を支えている仕事だといえるでしょう。
興味のある方は、電気工事スタッフや電気工事施工管理を目指してみてはいかがでしょうか。
■北英電気では、「電気工事スタッフ」や「電気工事施工管理技士」を募集しています!
北英電気株式会社は、埼玉県三郷市を拠点に、東京都内で住友不動産等所有のオフィスビルの建築内装に関わる電気工事を主に行っています。現在、経験者・未経験者を問わず、電気工事士や電気工事施工管理として一緒に働いてくれる方を募集中です。
弊社は社長自身が他業界からの転職組で、まったくの未経験からスタートしているため、未経験者でも安心して働ける環境づくりに力を入れています。働いた分だけしっかり給与に還元するのはもちろん、福利厚生も充実。残業は月15時間程度と少なく、繁忙期以外なら月に8日程度好きな時に休みを取れます。
また、現場は基本的に竣工済みのオフィスビルで、室内のため、キレイで空調の効いた環境で作業ができます。現場が汚い、夏は暑く、冬は寒いといったことがないため、外仕事がきつそうと思っている方も安心して働くことができます。ほとんどは東京都内の現場で、遠くても会社から片道1時間程度の場所です。転勤なし、出張もほとんどなく、あっても関東圏内に限られます。働きやすい環境で、三郷市に腰を据えてスキルを磨けるのが弊社の魅力です。
異業種で働いている未経験の方はもちろん、より働きやすい環境を求める電気工事経験者の方や、もう一度電気工事にチャレンジしたい方も歓迎いたします。興味のある方は、ぜひお気軽にご連絡ください。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしております。
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