電気工事に必要な道具とは?初心者がまず覚えるべき工具と保護具を紹介!

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皆さん、こんにちは。北英電気株式会社です。

埼玉県三郷市を拠点に東京都内で住友不動産等所有のオフィスビルに関わる電気工事を手がけている会社です。


「将来性のある電気工事に挑戦してみたいものの、未経験でも務まるだろうか」といった期待や不安をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。


電気工事は、未経験からでも着実に専門技術を習得し、キャリアを形成できる安定した仕事です。しかし、その第一歩として、多くの方が最初に戸惑われるのが「使用する工具」についてです。工具は種類が多く、名称も専門的なため、それぞれの用途をすぐに理解するのは難しいかもしれません。


それでも、安全で質の高い仕事を実現するためには、正しい工具を選び、適切に使いこなすことが絶対条件です。


本記事では、電気工事士を目指す方に向けて、最初に知っておくべき代表的な工具を取り上げ、その役割や使用方法のポイント、そして安全に作業を進めるうえで欠かせない保護具についても解説していきます。




■電気工事に必要な道具とは?




・ドライバー(プラス・マイナス)

分電盤やスイッチ、コンセントのねじ締めなど、様々な場面で使用する基本的な工具です。感電のリスクを回避するため、柄や軸が絶縁素材で覆われている絶縁タイプを使用します。



・ペンチ

電線の「切断・把持・曲げ加工」をこれ一本でこなせる、多用途に使える基本工具です。被覆に食い込みにくい電設用を選ぶことで、作業効率が向上します。ただし、「切断」においては状況に応じて、後述の電工ニッパーと使い分けることが求められます。



・電工ナイフ

ケーブル外装の皮むき(外側の被覆を除去する作業)に使用します。後述するワイヤーストリッパーでは対応しづらい外装厚の皮むきや細かな調整に適しています。滑り防止のため刃の当て方は浅くし、引く際は短い距離で刻むように作業します。



・圧着工具

電線と端子を接続(圧着)するための、非常に重要な工具です。電線のサイズ(太さ)や端子の種類に適したものを用いる必要があり、圧着は電気工事の施工の品質を左右する重要な工程です。そのため、正しく工具を使用し、確実な圧着が求められます。



・スケール

図面に記載された寸法を現場で正確に再現するための計測工具です。ミリ単位の精度が求められる現場では、その使用方法が仕上がりの品質に大きく影響します。基準面から垂直・水平を正確に測り、器具の中心線で管理することで、美しい仕上がりを実現できます。



・ウォーターポンププライヤー

掴む対象物の大きさに合わせて口の開き幅を調整できる工具です。ナットの仮止めや配管の固定などに使用します。部材を傷つけないよう、口の当たり面を平行に保ち、斜めに噛まないように扱うことが求められます。



・ワイヤーストリッパー

電線の絶縁被覆を、簡単かつ正確に早く剥くための専用工具です。初心者でも安全に扱えるため、はじめに習得することが推奨される工具です。電工ナイフは慣れると便利ですが、誤って芯線を傷めやすいので、まずはワイヤーストリッパーを使うのが安心です。



・検電器

安全確保の基本として、作業前に電線が停電状態にあることを確認する、作業員の安全を守るために不可欠な道具です。使用前には必ず本体の正常作動を確認し、定められた手順で検電を行います。



・電工ニッパー

ペンチよりも繊細な切断が可能な工具です。狭い場所での作業や、電線、結束バンドの切断に適しています。ただし、刃が欠けやすいため、硬いボルトなどの切断には使用しません。



・レンチ

ボルトやナットを適切な力(トルク)で締め付ける工具です。締めすぎは部材の破損に、緩みは事故につながるため、適正な力で締結する感覚を身につけることが重要です。



・水平器(ケガキレベル)

内部の気泡の位置によって水平・垂直を確認する道具です。特に「ケガキレベル」と呼ばれるタイプは、スイッチボックス等の取付け穴を正確にマーキング(けがく)するための目印や穴が設けられており、水平出しと同時に精密な墨出し作業を迅速に行うことができます。スイッチやコンセントが美しく整然と配置されるのは、こうした専門道具を用いた丁寧な確認作業によって実現されます。




■工具の正しい使い方とメンテナンス



電気工事士は、優れた技術者であるには工具を深く理解し、その能力を最大限に活かすことが求められます。工具を適切に扱うことは、作業品質と安全性の基盤をなす重要な要素です。



・実践を通じた技術の習得

未経験から仕事を始める場合、現場ではまず、経験豊富な先輩社員の作業をよく観察することが重要です。各工具の正しい持ち方、精密な操作方法、そして繊細な力加減は、言葉で説明を受けただけでは得られない「生きた知識」です。例えば、ねじ締め一つをとっても、締めすぎはねじ山や部材の破損を招き、緩すぎは接続不良による発熱や事故の原因となり得ます。一見、単純に見える作業にも、仕上がりと安全を左右する深い知見が求められるため、実践を通じてその感覚を養うことが不可欠です。



・性能を維持するための適切なメンテナンス

工具は精密なものであるため、日々のメンテナンスがその性能を維持します。使用後に付着した粉塵や汚れを清掃することはもちろん、定期的な点検も欠かせません。刃物であれば切れ味を確認し、必要に応じて研ぎ直しを行う、絶縁工具であれば被覆に傷や亀裂がないかを目視で確認するなど、常に最良の状態で使用できる準備が求められます。可動部への注油といった基本的な手入れを習慣づけることで、工具の寿命を延ばし、常に安定したパフォーマンスを発揮させることができます。



・効率的な保管と管理

作業効率は、工具の保管や管理方法にも大きく左右されます。工具箱や車両内を整理し、種類や用途ごとに工具を定位置で管理する習慣は、作業開始前の準備時間を短縮し、現場での工具探しの手間を省きます。また、作業開始前にその日の工程で必要な工具を点検し、腰袋の所定の位置にセットすることも、計画的で効率的な整理整頓の一環です。これは現場での工具の紛失リスクを低減させることにも繋がります。




■電気工事の保護具を紹介!



電気という目に見えないエネルギーを扱う電気工事において、安全の確保は他の作業よりも優先される絶対的な原則です。感電や墜落、火傷といった重大な事故を未然に防ぐため、現場では多岐にわたる安全対策が厳格に定められ、実践されています。その安全を支えるのが、「保護具」です。ここでは、現場で必須となる各種保護具を紹介します。



・基本的な保護具

全ての作業は、対象となる回路の電源を確実に遮断することから始まります。「電気が来ていないだろう」という思い込みは決して許されず、遮断後には必ず検電器を用いて停電状態にあることを確認します。


その上で、身体を守る基本的な保護具を正しく着用することが求められます。ヘルメットは落下物や転倒から頭部を、安全靴は重量物の落下や踏み抜きから足を守ります。また、飛来物から目を守る保護メガネや、感電事故を防ぐための絶縁手袋も、状況に応じて欠かせない重要な保護具です。



・高所作業の安全を確保する保護具・装備

作業中の安全と効率は、身体に装着する装備によって大きく向上します。腰袋や工具差しは、作業に必要な工具を身体に装着し、安全に携帯するための不可欠な装備です。これにより、工具の落下事故を防ぐとともに、両手を常に自由に使える状態を保つことができ、不安定な場所でもバランスの取れた安全な作業姿勢を維持することに繋がります。


特に、柱や電柱といった足場のない高所作業では、「ワークポジショニング用器具」(旧 柱上安全帯用ベルト)が重要な役割を果たします。この器具は、作業者の身体をロープなどで構造物に固定し、安定した作業姿勢を保持するために使用されます。


ここで最も注意すべき点は、このワークポジショニング用器具は墜落を防止するための保護具ではないということです。あくまで作業姿勢を保持するための器具であるため、高所作業時は万が一の墜落に備え、必ずフルハーネス型墜落制止用器具(安全帯)と併用することが法律で厳しく義務付けられています。



ここまで、電気工事における保護具の紹介をしてきましたが、物理的な保護だけでなく、人と人との連携も安全確保には不可欠です。作業前には必ずミーティングを行い、その日の作業内容や危険箇所を全員で共有します。作業中は、他の作業員の動きにも目を配り、積極的な声掛けを徹底することで、連携ミスによる事故を防ぎます。


こうした安全対策を一人ひとりが確実に実践することで、未経験の方でも安心して現場作業に従事できる環境が構築されています。




■まとめ



本記事では、電気工事の現場で使用される道具に焦点を当てて、主要な工具の種類と、その正しい取り扱い方法、そして安全に業務を遂行する上で必要となる保護具について解説いたしました。工具をはじめ、一つひとつの道具が持つ役割を深く理解し、その性能を最大限に活かす技術は、質の高い仕事を成し遂げるための基礎となります。


一人前の電気工事士とは、技術力に加え、常に危険を予見し、それを回避するための徹底した安全意識を兼ね備えている人材です。工具を適切にメンテナンスする習慣、定められた手順を遵守する規律、そして仲間と連携して現場の安全を確保する責任感が伴って初めて、人々の生活を守る電気工事を担うことができるのです。


こうした専門的な技術と、安全対策への姿勢は、一朝一夕に身につくものではありません。それらを正しく、そして着実に習得するためには、信頼できる指導者のもとで、日々の実務を通じて学ぶことができる環境が不可欠です。




■北英電気で、一人前の電気工事士を目指しませんか?



北英電気株式会社は、埼玉県三郷市を拠点に、東京都内で住友不動産等所有のオフィスビルの建築内装に関わる電気工事を主に行っています。


北英電気では、「電気工事スタッフ」や「電気工事施工管理技士」を募集しています。


代表自身も異業種からこの世界へ挑戦した経験を持つため、私たちは未経験の方が抱える不安や、新しいキャリアを築きたいという熱意を誰よりも深く理解しています。だからこそ、入社後はまず徹底した安全教育から始め、現場では工具の持ち方一つから丁寧に指導する文化が根付いています。


現場となる都内オフィスビルは清潔で空調も完備されており、快適な環境で落ち着いて技術の習得に専念できます。業務に必要な腰袋や工具一式、熱中症対策として欠かせない空調服もすべて会社が支給しますので、安心してキャリアをスタートしてください。


私たちの仕事は、建物の血管ともいえる電気設備を構築し、人々の活動を支える、社会にとって不可欠なものです。北英電気が育てたいのは、単に作業をこなす技術者ではなく、その責任と誇りを胸に活躍できるプロフェッショナルです。必要なのは、今の知識や経験ではありません。真摯に仕事と向き合い、学び続けたいという意欲です。


その想いを胸に、私たちと共にプロフェッショナルへの第一歩を踏み出しませんか。

皆様からのご応募を、心よりお待ちしております。



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