皆さん、こんにちは。北英電気株式会社です。
埼玉県三郷市を拠点に東京都内で住友不動産等所有のオフィスビルに関わる電気工事を手がけている会社です。
電気の仕事に興味を持ったとき、多くの方が「電気工事」と「電気通信工事」という二つの選択肢を目にするのではないでしょうか。「名前は似ているけど、何が違うの?」「自分にはどっちが向いているんだろう?」そんな疑問を解消するため、本記事では両者の違いを徹底的に解説します。
この記事を読めば、それぞれの仕事内容から必要な資格、そして将来性までが明確になり、ご自身に合ったキャリアを選択するためのヒントが見つかります。ぜひ最後までご覧ください。
■まずは基本から!電気工事と電気通信工事の役割と定義
・電気工事とは
電気工事は、建物や施設に電気を安全に届けるための工事です。たとえば、新築の家に照明やコンセントを取り付けたり、オフィスビルの電気設備を点検・修理したりする仕事がこれにあたります。電気はとても便利なエネルギーですが、使い方を間違えると感電や火災といった大きな事故につながることもあります。そのため、電気工事は専門的な知識と技術を持った資格者によって行われなければなりません。
日常でよく見かける例としては、エアコンの専用コンセント工事や、ブレーカーの交換などが挙げられます。また、工場やビルでは高圧の電気を扱うこともあり、さらに高度な工事が必要になります。つまり、電気工事とは「電気を使えるようにする仕事」と考えるとイメージしやすいでしょう。
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・電気通信工事とは
電気通信工事は、インターネットや電話などの通信ができるようにするための工事です。たとえば、自宅に光回線を引き込んでWi-Fiが使えるようにする工事や、オフィスでLAN配線を行って複数のパソコンをネットに接続する工事などが含まれます。近年では、防犯カメラやスマートホーム機器をインターネットとつなぐための工事も増えており、通信設備の重要性はますます高まっています。
この工事では、電気そのものを使うというよりは、電気信号を通して「情報をやり取りする仕組み」を整えることが目的です。そのため、通信の速さや正確さがとても重要で、細かい配線やネットワークの設計が求められます。こちらも専門の資格や知識が必要となり、電気工事とは異なる分野として扱われます。
■「電気工事」と「電気通信工事」の主な違いは?
両者の定義がわかったところで、さらに具体的な違いを4つのポイントで詳しく見ていきましょう。
・目的の違い
電気工事と電気通信工事は、どちらも「電気」を使う点では共通していますが、そもそも目指しているゴールが異なります。電気工事の目的は、照明を点けたり機械を動かしたりといった、生活や仕事に必要な「電力を供給すること」です。つまり、家電や設備を正常に動かすために電気が通る仕組みを整えることが目的です。
一方、電気通信工事の目的は、電話・インターネット・テレビなどの「情報をやりとりするための通信環境を整えること」です。ここでいう“電気”は、電力というよりも情報を運ぶための信号であり、その信号がスムーズに届くような配線や機器の設置が必要になります。
・扱う電気の大きさ
この2つの工事では、実際に扱う電気の「強さ」や「種類」も大きく異なります。電気工事では、家庭用の100ボルトや200ボルトといった低圧から、工場や大型ビルで使われる高圧の電力まで取り扱うことがあります。これらは直接、人に危害を加える可能性があるため、作業中は常に危険と隣り合わせです。
一方で、電気通信工事で使われるのは、電力というよりも微弱な「電気信号」です。LANケーブルや電話線、光ファイバーなどを通じて情報を送るため、電圧は非常に低く、感電などのリスクも小さいといえます。その代わり、ノイズに弱かったり、信号の品質を保つための工夫が求められたりと、また違った難しさがあります。
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・工事の内容や範囲
電気工事の主な作業内容には、照明の取り付けやスイッチ・コンセントの配線、ブレーカーの設置、そして大型施設では電力を安定して供給するための受変電設備の設置などがあります。家庭から工場まで、幅広い建物の電気設備を支えるのが役割です。
それに対して電気通信工事は、ネットワーク機器の設置、LAN配線、光回線の引き込み、Wi-Fi環境の構築、さらには監視カメラやインターホンの設置といった、「情報を伝えるための道づくり」を行います。最近では、スマートホームやIoT機器といった新しい技術への対応も進んでおり、ますます範囲が広がっています。
・安全管理
電気工事では、高圧電流を扱う場面もあるため、安全対策は非常に重要です。作業前の電源遮断、絶縁工具の使用、資格を持った技術者による施工など、安全ルールが厳格に定められています。事故が起きれば感電や火災など重大な結果につながるため、特に慎重な対応が求められます。
一方の電気通信工事では、感電のリスクはそれほど高くありませんが、代わりに「通信障害」や「信号の不安定化」といったリスクがあります。たとえば、ネット回線が突然途切れたり、セキュリティカメラの映像が映らなくなったりする原因になりかねません。見た目にはわかりにくいトラブルも多いため、正確な配線や機器設定がとても重要です。
■電気工事と電気通信工事の必須資格の違いは?
・電気工事で求められる主要資格
電気工事の分野では、代表的な資格として、電気工事士、電気工事施工管理技士、そして電気主任技術者の三つが挙げられます。
▼電気工事士
電気工事士は、電気工事を行う上で基本となる必須資格です。一般住宅や小規模店舗の工事ができる「第二種電気工事士」と、ビルや工場など大規模施設の工事まで扱える「第一種電気工事士」に分かれており、多くの人がまず第二種電気工事士の取得からキャリアをスタートさせます。
▼電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士は、工事現場の責任者、いわゆる現場監督として、工程・品質・安全・予算などを管理するための資格です。現場作業の経験を積んだ先のキャリアアップとして、取得を目指す人が多い資格であり、1級と2級があります。
▼電気主任技術者
電気主任技術者は、発電所や変電所、大規模なビルや工場といった事業用電気工作物の保安監督者となる資格です。電気設備の維持・運用における最高責任者であり、非常に専門性が高く、社会的評価も高いことで知られています。
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・電気通信工事で求められる主要資格
電気通信工事の分野でも、専門的な知識と技術を証明する資格が存在します。
▼電気通信の工事担任者
電気通信の工事担任者は、インターネットやIP電話など、電気通信回線に端末設備を接続する工事の監督・施工に必要な資格です。アナログ電話工事から光ファイバー接続まで、扱う範囲によって資格が細分化されています。
▼電気通信工事施工管理技士
電気通信工事施工管理技士は、電気通信工事における現場責任者、すなわち現場監督になるための資格です。電気工事と同様に、現場のマネジメント全般を担う重要な役割を果たします。
▼電気通信主任技術者
電気通信主任技術者は、電気通信ネットワーク全体の工事、維持、運用の監督責任者となる資格です。主に電気通信事業者(キャリア)などで活躍するために必要となります。
■これから就職するなら電気工事と電気通信工事、どっちがいい?
・共通するやりがいと将来性
電気工事と電気通信工事は、どちらも私たちの生活や社会インフラを支える非常に重要な仕事です。どちらの分野も専門知識と技術が求められ、資格を取得すれば長く安定して働けるという共通点があります。
また、ITや再生可能エネルギー、スマートシティ化の進展により、どちらの工事分野にも将来性があります。電気が使えなければ日常生活が成り立たず、通信がなければ現代の情報社会は機能しません。その意味では、どちらの仕事にも社会的な意義があり、大きなやりがいを感じることができます。
・電気工事ならではの魅力
それでは、電気工事ならではの魅力とは何でしょうか。
まず一つ目の魅力は、何物にも代えがたい「目に見える達成感」です。自らの手で配線し、接続した設備に電気が流れ、建物全体にパッと光が灯ったり、巨大な機械が動き出したりする瞬間を直接見届けられるのは、電気工事ならではの大きなやりがいと言えるでしょう。
そして二つ目の大きな魅力が、安定した需要と就職のしやすさです。建設業界全体の人手不足に加え、インフラの老朽化対策、省エネ化、再生可能エネルギー設備の普及などを背景に、電気工事士の需要は非常に高まっています。求人数が豊富で、資格と技術があれば全国どこでも安定して働けるという事実は、これからキャリアを築く上で大きな安心材料となるでしょう。
資格の取得によってキャリアアップもしやすく、第一種電気工事士や電気施工管理技士など、上位資格を目指すことで、より大規模なプロジェクトに関われるようになるのも魅力です。
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・電気通信工事ならではの魅力
一方で、電気通信工事ならではの魅力とは何でしょうか。
一つ目は、最先端の技術に触れられる刺激的な環境です。電気通信工事には、最先端の技術で社会の未来を創るという、また違った種類の大きな魅力があります。5GやIoTといった、まさに現代社会の進化を牽引するテクノロジーに、仕事として深く関わることができます。昨日までなかった新しいサービスが生まれ、社会の仕組みが変わっていく様子を最前線で体感できるのは、この仕事ならではの醍醐味と言えるでしょう。
二つ目は、情報化社会の「神経」とも言える分野を担う、高い専門性と重要性です。ネットワークは目に見えませんが、現代社会において、その機能が停止すれば経済活動も日常生活も麻痺してしまいます。この重要なインフラを、自らの専門知識と緻密な技術で構築し、維持管理するスペシャリストとしての誇りは、大きなやりがいにつながります。
■まとめ
電気工事と電気通信工事は、一見似ているようで、それぞれまったく異なる目的と役割を持つ仕事です。
両者ともに、高い専門性と責任が求められる職種ですが、それだけにやりがいも大きく、社会に貢献できる実感を得られる仕事でもあります。また、資格取得によるスキルアップやキャリア形成がしやすく、将来的にも安定したニーズが期待できる分野です。
どちらの道に進むべきか迷っている方は、自分の興味や将来像、ライフスタイルに合わせて考えてみてはどうでしょうか。目に見える設備をつくる達成感を重視するなら電気工事、ITやネットワークに関心があるなら電気通信工事が向いているかもしれません。
いずれにせよ、どちらの職種も現代社会には欠かせない存在です。この記事を通して、それぞれの特徴と違いをしっかり理解し、自分に合った進路を選ぶきっかけにしていただければ幸いです。
■北英電気では、「電気工事スタッフ」や「電気工事施工管理技士」を未経験、経験者問わず募集しています!
北英電気株式会社は、埼玉県三郷市を拠点に、東京都内で住友不動産等所有のオフィスビルの建築内装に関わる電気工事を主に行っています。
弊社は現在、「業界の未来を担う若手を育てたい」という代表の考えで、未経験・経験者を問わずに、電気工事士、電気工事施工管理技士を募集しています。
きつい・汚い・危険(いわゆる3K)のイメージが根強い建設業界ですが、北英電気の現場はキレイで空調が効いた過ごしやすい環境です。酷暑や極寒に悩まされずに仕事に取り組めるため未経験の方でも体力的な負担が少なく、長期的に働きやすい職場です。
さらに、資格取得支援制度(講習から試験まで全額支給)もあり、スキルアップをしながら安定したキャリアを築くことができます。
異業種で働いている未経験の方や、もう一度、電気工事にチャレンジしたい方も大歓迎しておりますので、お気軽にご連絡ください。まずは職場の雰囲気を感じてみたいという方のために、体験入社も実施していますので、業界の将来を担うやる気のある方との出会いを心待ちにしています!
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